平均的なサラリーマンの日常を描いた大人気ラジオドラマ『NISSAN あ、安部礼司~BEYOND THE AVERAGE~』が2018年5月に大きなリニューアルをしてから約1年。
2018年のリニューアルは突然で突飛な安部礼司ワールドの路線変更に多くのリスナーが戸惑った、安部礼司史上最もセンセーショナルな出来事でした。
その結果、毎週日曜日のたそがれ時(日曜日17:00~17:55放送)に繰り広げられる、元気と勇気をもらえるコメディーを楽しみにしている180万人のリスナー&ファンからは不評やネガティブな感想が続々と寄せられる結果になったのです。
そんな安部礼司の再スタートから1年が経った今年2019年5月、『NISSAN あ、安部礼司~BEYOND THE AVERAGE~』は再リニューアルを迎えました。
この記事では、安部礼司再リニューアルの中身とその理由についてまとめています!
『あ、安部礼司』再リニューアルの内容
元号が変わり令和最初の放送となった5月5日(日)、『あ、安部礼司』に新たな変化がありました。
それが、60分で3本立ての構成から2本立てへの変更です。
2018年5月の大リニューアル前までの安部礼司は、毎回1話完結のストーリーを展開していく構成でした。
この物語は、ごくごく普通であくまで平均的な43歳の安部礼司がトレンドの荒波に揉まれる姿と、それでも前向きに生きる姿を描いた勇気と成長のコメディ。 日曜の黄昏時、若さと渋さの間で揺れる昭和生まれのアナタに贈る『鼻歌みたいな応援歌』を、ツボな選曲とともに送るラジオドラマです。
番組冒頭でお決まりのナレーター五十嵐明さんの前口上より
この毎回1話完結型のストーリー展開から、3話構成へリニューアルされた時には、昔から安部礼司に慣れ親しんできたリスナーから不評噴出になったわけです。
つまり今年2019年5月の再リニューアルは、不評の3話構成から2話構成へ戻し、これ以上の”安部離れ”を防ごうとする狙いがありそうですね。
実際に、安部リスナーの再リニューアルに対する反応を見てみると、前向きに捉えているコメントが多くて、やっと安部礼司らしさが戻ってきたなあという印象です。
安部礼司実況の皆さんお疲れ様でした
— ゴジャ@令和だろうと!栄えるのじゃ!!!!! (@zaku100) 2019年5月19日
久しぶりの登場サトミちゃん
熊本弁のシーンもちゃんとあって良かった
重山ちゃんと出向君もそろそろ新展開あるかな?
沙良さんも相変わらず癒し系ボイスで👍
2部構成になってだいぶ聞きやすくなりましたよね🙆
来週も栄えていきましょうね#abe02 #栄えるのじゃ
安部礼司は4月からオートリバース方式(2部構成)にして大正解だと思う。3話→2話にしたことで一回の話にかけられる時間が増えて話の展開に厚みと深みが出た。3話構成の時は時間が短いこともあり全体がドタバタしていたし、2話目の「非安部ファミリー」の話になじめない人も多かったのでは。 #abe02
— わたり羽衣婚活中@野球&東京FM好き (@watarini) 2019年5月19日
安部礼司、サラリーマン調査的な企画も復活したし、リニューアル前に相当戻してきた感ある。2部構成はドラマも割と余裕があって、しっかりしたものになったし、良いところに落ち着いたんじゃないでしょうか。 #abe02
— ちくりん (@tiku_seto_Spu) 2019年5月20日
『あ、安部礼司』再リニューアルの理由
さて、今回の再リニューアルの背景に2018年の突然の路線変更に対する不評やネガティブな感想があったことは間違いと思われます。
そういった安部リスナー&安部ファンの「もどかしさ」の解消と再リニューアルがどう関係してくるのか?
今回の再リニューアルの理由をこの観点から考察してみます。
ストーリーに奥行きがない
『NISSAN あ、安部礼司~BEYOND THE AVERAGE~』の放送時間は日曜日の黄昏時。
日曜日の「黄昏時」ですから、リスナーの心の中には現実と理想、仕事とプライベートなど複雑で時に相反する感情や思いが渦巻いているはず。
それが2018年のリニューアルで採用された60分3本立ての構成では全く描き切れませんでした。
この番組が支持されていたのは主にサラリーマン世代の、若さや情熱だけでは乗り越えられない悩みや辛さを抱えるリスナーです。
そんな30代から40代という妙齢のリスナーを相手に、表面的なストーリーや登場人物の心情描写といった小手先脚本では、心にジーンとくるような黄昏時はお届けできません。
2019年の再リニューアルで2話構成になったことで、1話ごとのストーリーに奥行きが出しやすくなったはず。
3話→2話への構成変更が「古き良き」安部礼司を呼び戻すことを期待します。
ツボれないことへの不評
2018年のリニューアルで大きな大きな変化があったのが、今ツボソングの廃止です。
今さらツボな選曲として「誰もが知っている」が「物語と絶妙にマッチ」した名曲が見事なタイミングで流れるラジオドラマ、それが『あ、安部礼司』でした。
しかし、サブスクといった言葉が流行る今の時代では「今ツボソング」=今さら流れていても誰も話題にしないソングになってしまっており、それがリニューアルの理由の1つとされています。
今回の再リニューアルが長年安部礼司を支えてきたリスナーの思いを汲み取ったものであるとすれば、選曲の方向性も以前のツボれるかどうかを意識したものに変わってくるかもしれません。
刈谷勇ロスからの脱却
2018年のリニューアルではオムニバス形式への変更の他に、ファンに激震が走る出来事がありました。
それが、刈谷勇が登場しなくなったという衝撃事実です。
主人公安部礼司の親友である刈谷勇には「カリヤー」と呼ばれる熱烈なリスナー&ファンがいました。
実際、日曜日の夕方に翌日から厳しい社会に戻っていくサラリーマン達に、朗らかな笑い声で元気と勇気を与えてくれる刈谷勇の存在は、『あ、安部礼司』にとってなくてはならないものでした。
多くのリスナーが”刈谷ロス”に陥った2018年5月から時は流れて今回の再リニューアル。
以前からの安部リスナーを引き止め、刈谷ロスからの脱却を目指すには、リニューアルを繰り返し新たな安部礼司ワールドの構築が必要不可欠です。
特に2018年のリニューアルが、新規リスナーを狙ったものだとすればなおさら、既存リスナーの刈谷ロスからの脱却は避けては通れない課題であり、今回の再リニューアルはその課題とも向き合った変化ではないでしょうか。
【まとめ】『あ、安部礼司』の未来予測
もうご存知のように、主人公の安部礼司は「平均的な」サラリーマン。
安部礼司も安部リスナーも歳をとっていきます。
永遠の〇〇歳的なキラキラ魔法はありません。
昔懐かしい安部礼司が若い頃(ゆうちゃんへのプロポーズとか)の思い出を共有しているリスナーとしても、このまま安部礼司が50才になったら番組はどうなるんだろう…と漠然と思っていたような気がします。
つまりキラキラな魔法は使えませんが、リスナーを含めた安部礼司の若返りが必要だったのですね。
5年後、10年後に『あ、安部礼司』が続いているかは誰にもわかりませんが、ずっと続いていくとすれば、後輩の飯野平太と南総サトミの物語が大きく展開されたりといった、次の大胆なリニューアルもあるかもしれません。
今後も安部礼司ワールドが愛されることを願って、the average man keeps listeningでいきたいと思います!